以下、記事より抜粋。
(だが)会社とは成長あっての組織だ。重要なのは世界が待ち望んでいるものを先回りして考え、
課題解決をイノベーションにつなげることではないのか。
では、どんな切り口が今後企業には必要になるのか。
投資家にも聞いた。厳しい制約を意味する「律速条件」との答えが返ってきたのはヘッジファンド、
ハヤテインベストメント(東京・中央)の杉原行洋社長からだ。創業から15年で4万社と面談した結果の1つの解だという。
律速といえばホンダだ。昭和の成功物語ともいえる同社は「日本は非産油国」というボトルネックを逆手に取り、
優れた低燃費エンジンを開発して世界をうならせた。SDGsの先駆けだ。
では、令和の律速とは何だろう。一つはデータだ。日本は米中にはさまれて再び「持たざる国」の状態にあるが、
またそれを強みに反転させられる可能性はある。
杉原氏は「ホワイトボックスAI(人工知能)」という分野に注目する。中がどうなっているかがわかりにくい「ブラックボックス」の逆で、
今のAIの限界に挑む技術だ。NECや富士通などが研究中で日本は先端を行く。
AIは人間にできない演算をこなすが、「答えがなぜそうなるか」は示せず、信頼を置くにはリスクが伴う。
一方ホワイトAIはそれが示せる技術であり、AIの活用を広げて人間の生活や経営を一変させる可能性がある。
対抗軸は他にもあるだろう。昭和に突破口を開いた低燃費エンジンのように、この時代だからこそ求められる何かはきっと存在する。
それを見つけ出すのが「令和のいい会社」ということだ。